【書評】すべての疲労は脳が原因




日本は疲労大国と言われ、日本語の過労死は、英語圏でも「KAROSHI」としてそのまま通じるそうです。

運動時の疲労は筋肉などの末梢組織が主ではなく、心拍、呼吸、体温を調節している「脳の自律神経の中枢」の疲労こそが運動疲労の正体。

脳疲労が蓄積すると脳は老化し、老化した神経細胞が認知機能の低下を招きます。
そして老化に伴う健康上の最大のリスクは「生活習慣病」です。

では、脳疲労の原因物質はなんなのか。
疲労と聞くと乳酸を思い浮かべますが、原因は乳酸ではなく、脳内で神経細胞を攻撃している「活性酸素」です。

脳疲労の改善に重要なのは「睡眠」で、睡眠は量だけでなく、質も重要で、

眠っても疲れが取れない、仕事中も眠気が強い、運転中にウトウトする場合は、睡眠中のいびきが原因の可能性があります。
いびきは睡眠時に気道が狭くなって生じる現象ですが、特にいびきがひどい人は呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」の可能性もあります。

「睡眠時無呼吸症候群」の人に有効なのが、呼吸を補助してくれるCPAPです。

これを使用することで睡眠の質を高め、慢性的な疲労を劇的に改善することができます。可能性があるかもと思う人は一度医師の検査を受けてみるといいかもしれません。

睡眠の他に、脳疲労を改善する手段は、活性酸素に有効な成分「イミダペプチド」を摂取することです。

「イミダペプチド」は鶏胸肉に多く含まれていて、その他疲労が蓄積しやすい部位に多く含まれていてマグロやカツオなど回遊魚の尾びれの筋肉にも含まれています。

抗酸化成分としてよく聞くポリフェノールなどは、体内全体の活性酸素に抗酸化作用を発揮するため、脳に到達する前にその作用が消費されてしまい、脳での抗疲労効果はほんの一部になってしまいます。

その点、「イミダペプチド」はアミノ酸に分解され、脳内で再合成されるため、脳内で活性酸素に対抗し続ける特徴があります。

抗疲労効果を発揮し続ける「イミダペプチド」の量は1日200mg取るのが有効で、鶏の胸肉100gを食べることで摂取できます。

この他にも「ゆらぎ」をとり入れて疲労回復や脳のワーキングメモリを鍛えて疲労に強い脳の作り方などが書かれています。

「すべての疲労は脳が原因」を読んでのまとめ
・睡眠の質を高める。睡眠時無呼吸症候群の可能性がある場合は、医師に相談する。
・疲労回復成分を多く含んでる胸肉を食べる。
・活性酸素を発生させないため高強度の運動、紫外線、お酒の飲み過ぎに注意する。
・疲労回復効果のある「ゆらぎ」を空間や行動に取り入れる

〜目次〜
はじめに
第一章 疲労の原因は脳にあり
第二章 疲労の原因物質とは
第三章 日常的な疲労の原因はいびきにあった
第四章 科学で判明した脳疲労を改善する食事成分
第五章 「ゆらぎ」のある生活で脳疲労を軽減する
第六章 脳疲労を軽減するためにワーキングメモリを鍛える
あとがきにかえて