【書評】赤い指




東野圭吾さんのミステリーで加賀恭一シリーズの作品「赤い指」を読みました。

この赤い指は阿部寛さん主演でドラマにもなり、阿部寛さんも好きで東野圭吾作品も好きな僕としてはこのドラマを見たいと思いつつ、見逃した悲しい記憶があります。

ミステリーものなのであらすじを簡単に紹介していきます。

会社で仕事をしている前原昭夫の携帯電話に妻の八重子からすぐに帰ってきてほしいと電話がありました。嫌な予感を抱えながら帰路につく昭夫。

昭夫の家庭は妻の八重子、息子の直己と昭夫の母の4人で住む家は、平凡なありふれた家庭に見えるが、母の政恵は認知症を患い、妻からは毎日愚痴を聞かされ安らぎを与えてくれる場所からは遠く離れた家庭になっていた。

昭夫の父 章一郎も認知症で、そのときはまだ正常であった政恵が自宅介護を行っていたが、既に亡くなってる。

そんな家に帰った昭夫は八重子に庭を見るよう伝えられ、言われるがままに庭にをみるとそこには見慣れない黒いビニール袋があった。
嫌な予感を胸に黒いビニール袋の下を覗き込むとそこには小さな女の子の死体が横たわっている。

妻と一人息子の直己に話を聞くと、どうやら直己が女の子を絞殺したようだ。

警察へ自首をしに直己を連れて行こうとする昭夫だったが、八重子は直己のその後の人生が台無しになるからと死体を捨てるように依頼した。

その依頼を昭夫は受け入れ、夜中に家の側の銀杏公園のトイレに少女を遺棄することにした。

少女を遺棄したことがいつバレるのかと恐れる昭夫と八重子。

そんな前原家を追いつめるように加賀恭一郎が何度も訪れることに、真実がバレることを恐れた二人は恐ろしい隠蔽計画を立てていく。

事件の捜査が進む中、胆のうと肝臓がんで入院している加賀恭一郎の父親隆正が日増しに衰弱して行く。

隆正の妹の息子の松宮脩平は時間を見つけ見舞いに行くが、実の息子である加賀恭一郎が見舞いにことに苛立を覚えるのであった。

一般的に平凡な家庭と言われる家庭にもそれぞれ異なる事情を抱えているものです。

親子の関係には他人が分からない複雑な事情が隠されている、そんなことを感じさせてくれる作品でした。

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